透明性向上剤の前に、簡単にPP(ポリプロピレン)の特性についてご説明いたします。
PP(ポリプロピレン)の構造は反結晶体であり、その構造上、機械特性、化学特性、耐熱性に優れています。
その一方で、デメリットとしてPPは基本的に結晶化に時間がかかってしまいます。
これはスフェルライトと言われる比較的大きな結晶の複雑な集合体へなるためです。
このスフェルライトはポリマー内に発生する小さな結晶から拡大して形成され、この過程を核形成と呼んでいますが、一般的なPPに起こるスフェルライトは可視光の波長より大きな径を持つ為PPは可視光を透過せず、結果として透明性が低く、くすんだ様な見た目になってしまいます。
ポリプロピレン特有のデメリットを解決する為に、SUKANO社は透明性向上剤 / Clarifierを開発致しました。
透明性向上剤は、PPの結晶化の過程で点在するスフェルライトの基となる小さな結晶の発生を促進します。
この働きによって同じスペースで多くの結晶が発生致します。
スフェルライトの径を通常より抑えることができる為可視光の波長を下回る為に光の透過率が上がり、透明性が向上します。